活動報告

会派視察報告2日目(空き家対策)@東京都文京区

投稿日 2017年7月14日

 会派視察2日目は、東京都文京区の空き家対策について視察しました。
高槻市でも、ようやく今年度より本格的に空き家対策について取り組みを開始しますが、そこに向けて先進自治体である文京区の取り組みを学ぼうという趣旨です。

 空き家の問題については、一般的に除却費用が高いため所有者に放置されがちなことや建物の立地などの条件により活用が進まないことが課題であります。
文京区では、除却に対し費用を助成することで第一のハードルである費用面の課題を解消し、その後については区が10年間無償で借り受けて、憩いの場や消火器具置き場として活用しています。その他の自治体では、空家を除却せず、改修して利用をしたいNPOなどの団体に貸し出し、まちづくりに活用している事例もあります。

 高槻市では、まだどのような地域にどのような空家が存在しているかが把握できていないので、まずは実態把握を丁寧に行い、実態に合わせた空き家対策を検討していきたいと思います。

以下、2日目「空き家対策」の視察内容です。
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 ①取り組みの概要・経過

<背景>
平成23~24年度に、空き家に対する区民の陳情の増加により空き家の一斉点検を実施。防犯や防火といった切り口からの取組であり、当初は危機管理部門が所管して点検を実施した。警察・消防との連携で取組を進め、この時点で把握された管理不全の空き家数が約180件であった。

<空家発生の要因>

①要因空き家の撤去費用が高額である
②空き家を撤去して更地にすると固定資産税の住宅用地特例を受けられない
③土地相続の問題が整理されず、相続人間で合意ができない

というものであるため、これを解消するための対策事業を平成26年度より実施している。

<事業内容>
事業内容としては、管理不全のために老朽化して危険な状態となっている空き家について「所有者の申請に基づく区の助成(200万円を限度)により除却などを行い、その土地を区が所有者から10年間無償で借り受けて行政目的で使用する」というもの。

「老朽家屋除却跡地利用検討会」と「老朽家屋審査会」により検討・審査を行い、跡地利用計画の契約を所有者と結んでから除却・補助金交付を行う。

② 取り組みの成果

①平成26年度より実施して、現在までに5件の実績がある。
②跡地利用については、地域の方の「憩いの広場」として、または「消火器具置き場」としての活用している。
③「憩いの広場」・「消火器具置き場」のいずれも、密集地における空地であることから、地域の住民からは喜ばれている。

③ 課題

①所有者から土地を無償で借り受ける10年が経過した後の土地の扱いが課題である。地域から喜ばれるエリアとして使用しているため、なくすのに反対の声が出ることも想定される。所有者の考え方一つに左右される。
②活用方法が難しい土地が多い。旗竿敷地などが多い。
③他の活用案として、喫煙所・公園の拡大・園庭の拡大などがあったが、そもそも場所に制限があるため実施には至っていない。(利便・近接地等)

④ 今後について

・平成27年5月に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、文京区空家等対策計画を策定予定。
→平成29年度に素案作成、平成30年度に計画策定の予定。

⑤ その他(視察前に送付した質問項目に対する回答)

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